季節の変わり目。旬の食材で身体のケア！

こんにちは、管理栄養士の矢村千紘です。夏も終わりに近づいてきました。季節の変わり目で体調を崩しやすい人も多いのではないでしょうか。旬の食材パワーを取り入れてケアしてみませんか。

旬の食材は体に優しい

旬とはその食材が「美味しく栄養たっぷり」な時期のことを言います。その季節にあった、自然な栽培方法で育てられているため美味しいだけでなく、価格が安いのも嬉しい特徴ですね。

季節のサイクルで少しずつ状態が変わる私たちの体にも、旬の食材は必要な栄養素を届けてくれます。夏の強い日差しに対応できるよう、夏の野菜は色の濃いものが多いように、これからの季節は、夏に疲れた胃腸に優しく、冬に備える体づくりのための食材が旬を迎えます。

産地の努力や、栽培方法の改良、流通の発達などにより、1年を通じてほとんどの野菜が食べられるようになりましたが、地元で収穫される旬の野菜を日々の食卓に取り入れる意識してみるのはいかがでしょうか。不要な手間をかけず、輸送にかかる問題も最小限ですむことから、体にも環境にも優しい食材ですよ。

秋が旬の野菜と、その特徴は？

「食欲の秋」の由来は様々ですが、暑さによる食欲低下から回復し、さらに涼しくなることで基礎代謝が上がってくることも食欲が増す理由に挙げられます。

そんな体の変化を支えるように、食物繊維の豊富なきのこ類、デンプンが豊富な芋類、体を温める根菜類などが旬を迎えます。例えば、しいたけ、しめじ、舞茸、ジャガイモ、サツマイモ、里芋、ごぼう、レンコンなどです。

きのこ類

低カロリーで食物繊維が豊富で、血糖値上昇を緩やかにし、腸内を整える働きもあります。また、骨の健康に必要なカルシウムの吸収を助けるビタミンDも豊富なのも特徴です。太陽の光を浴びることで栄養素も旨味も凝縮されるため、数時間でも天日干しをすると効果的です。

また冷凍すると細胞が壊れて旨味成分が出て料理の美味しさをアップしてくれます。多種のきのこを食べやすい大きさに分け、保存袋に入れて冷凍すれば自家製きのこミックスの出来上がりです。お味噌汁やお鍋の具材としても便利ですし、シンプルな炒め物にしても良いですね！

芋類

効率的にエネルギーとなるデンプンが豊富で、秋に運動を始めるなどアクティブに活動したい人におすすめです。加熱すると甘みが出てより美味しくいただけます。熱に弱いビタミンCですが、芋類のビタミンCはデンプンに守られ壊れにくいのが大きな特徴です。冷蔵庫には入れず常温での保存がオススメです。

特に里芋は芋類に中でも水溶性食物繊維が豊富で、便秘の改善や、消化の促進、糖質の吸収をゆっくりにする働きもあるので血糖上昇も穏やかにしてくれます。弱火で煮る、蒸すと、この成分の損失が少なく済みますよ。

地元の農家さんの直売所や、旬の野菜を詰め合わせて宅配してくれるサービスを利用して、こういった野菜を手に入れてみてはいかがでしょう。

旬の食材で、季節の変わり目の体をケアしていきませんか。日本の四季を五感で感じ、豊かな食卓と心と体を作っていきましょう。

参考文献：

「旬がおいしい野菜事典」Gakken

農林水産省HP「食べ物と日本の四季」https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/learn/seasons1.html

「臨床栄養ディクショナリー」メディカ出版